前に買った 1981 Inventions DRV ですが、最近2台追加で購入する機会があり、前回と比べて色々と更新されていたのでその辺りキャッチアップした内容です。


白くなった

これが一番大きいかもしれない。DRV No2 までは当初のコンセプト通りにデロリアンをイメージした筐体だったのだが、最近ドロップされた No3 では白い筐体+3色(黒を含めて4色)ロゴになっている。

Email Newsletter で明示された内容として、回路と部品は最初から変えてないとのことなので、「初期のモデルの方が〇〇な音だったのに…」みたいなことは無さそう。

あと付属品もアップデートされていて、例えばポーチが No2 以前と以降では違う仕様になっていたり、ステッカーも少し変わっていたり、ピンズが標準で付属するようになったり、と(恐らく気まぐれで)変更されている。

1981 Inventions DRV Pouch

左がNo2以前ので、右はそれ以降のもの。


他の限定モデル

1981 Inventions の Instagram を見ていると、黒かったりパステル系のピンクや水色になった DRV が目に入る。これらは限定モデルで、上述した No2, No3 のレギュラーラインナップとは別で、気まぐれに製作・販売されている感じ。

1981 Inventions DRV STORMTROOPER

今回自分はモノトーンの配色が好み過ぎて白黒のを注文した。これはカラーリングにちなんで DRV STORMTROOPER というモデル名になっている。

1981 Inventions DRV Seafoam

先月買った水色(Seafoam)のモデルも手元にある。パステルカラーが黒いロゴで引き締まった印象で格好良い。これはsarapedals 江川さん用に注文したもので、あと前に買った No2も友人に譲るので、別に自分で3台使う訳ではない。

繰り返しになってしまうけれど、中身や音は特に差分が無い(少なくとも自分が購入した3台に関しては全く同じ感じだった)ので、自分好みなカラーリングの一台を狙う他ないですね。


前の記事でも触れているけれど、改めてもう少し深く掘り下げてみよう。

根幹を成す雰囲気として Hi-Fi な RAT という印象があり、使った経験のある人には恐らく賛同を得られるはずだ。リファレンスとされている初期の RAT との比較も最早意味を成さないような程合いで、別物という感じに映る。

どちらかといえば古典的で粗めなディストーションを求めている層を中心に支持されている感のある RAT の系統として考えると、使い所はかなり変わってくるのではと思わされる。実際に付属の取扱説明書に目を通すと、あまり DRV ノブを右に回さず、うっすらと原音を覆う程度なサンプルのセッティングが提示されている。

ここで自分からは、「Fender Wide Range Humbucker(WRHB)」との組み合わせを紹介したい。

というのも、70年代製のオリジナル Telecaster Deluxe を入手する機会があり、DRV と組み合わせたところかなり最高な結果が得られた。特に2基の WRHB の Mix ポジションでは微かにシングルコイル的な弦の質感が出てくるのだけれど、そこへ DRV を絡ませた時の音が絶品だ。シングルコイルで強く感じられる弦の質感が程よく抑えられた上で、一般的なハムバッカー PU よりも分離の良い傾向な WRHB の特徴がそのまま DRV の美味しい部分と繋ぎ合わされたような感覚の出音で、DRV ノブはほどほどでも強めでも良い感触だし、そのままネック PU へ切り替えれば完全に Graham Coxon の感じになってしまう。

そもそも Matthew Hoopes 本人が同じ Telecaster Deluxe を使用している時点で相性の良さは証明されていたようなものだ。協力者の Bondi Effects も Telecaster Deluxe をたびたび Instagram で掲載していて、似た傾向がありそう。

WRHB は70年代のオリジナルのような CuNiFe 合金のものが望ましいが、一部のガレージメーカーが制作している代替品の中にもオリジナルに引けを取らない出音を実現する PU がラインナップされている。そういえば昔の記事でも紹介していた。


余談

ですが、他に今年人気出てきたのがいくつかあって、自分はもうあまりエフェクター買うことも無くなってるので誰か購入したのちにレビューして欲しい。

Browne Amplification による 2 in 1 な Overdrive。片方が Marshall Blues Breaker、もう片方が Nobels ODR-1 ベースで両方とも微調整して仕上げた系。BBは言わずもがなだけど、ODR-1 は敬愛する Will Owsley ほかカントリー畑の人がよく使っていて少し気になる。

カラフルなアンプや JHS とのコラボレーションで、国内でもお馴染みになった感のある Milkman のトレモロ & リバーブ複合機。クラシックなギターアンプによく搭載されていることから、この種の 2 in 1 は strymon の FLINT をはじめ結構見かけるのですが、これに関しては VD の素晴らしさで圧倒的に勝っている(DRV STORMTROOPER の隣に並べたい)。デモを見た感じだと良い塩梅でツボを押さえた仕上がりになっている感触で、簡素なコントロール設計も良さそう。