1981 Inventions は、ギタリスト Matthew Hoopes 氏の個人制作によるエフェクターのガレージメーカー。 ビジュアル分野でのブランディングを頑張っている印象で、Instagram を見ると良い雰囲気の写真で賑わっている。
で、今回買った DRV は初期の Proco RAT をモデルにしたエフェクターで、Back to the Future でお馴染みのデロリアンから影響を受けたという無骨な筐体のビジュアルが印象的な一台。
内部的には昇圧等を行い、モダンなハンドメイドペダルらしい解像度の向上などを企図しているようだ。違ったらごめんなさい。この時期のものは特徴的な筐体の印字から White Face と呼ばれていて、現行の RAT2 とは一味違った音なのは有名だと思う。
Matthew 氏は開発において Bondi Effects の Sick As Overdrive に感銘・影響を受けたらしく、 DRV の制作にあたっても Bondi Effects の Jon Ashley 氏の技術面など協力のもと進めたとのこと。
自分が DRV を知ったのは Instagram で、まずビジュアルがかっこいい上にコンセプトも好みだったので即決した。
向こうの Gear Nerd 達の間では既に話題沸騰中で、初回分は即座に完売。自分が買えたのは 2nd Lot で、到着までまあまあの時間を要した。
届くのを待つ間、メーカーの Twitter / Instagram アカウントにて量産〜発送までがシリアル No と紐づけて報告されていて、もうちょいで自分の注文分も発送されるな…と期待が膨らむ体験があり、面白かった。
外観
鉄の質感が特徴的なビジュアルに関しては前述の通り、BTTF のデロリアンを意識して制作したとの情報が記載されている。
磨き上げられたような金属質の筐体にバキッとしたゴシック書体で印字されたブランド名は、デロリアンの製造年である 1981 年に由来するらしく、同梱のデカール（ステッカー）やポーチなども同じロゴで彩られていてかっこいい。
基本的にギターとアンプが好きなだけで、エフェクターは最低限のクオリティさえ確保されていれば…という温度感の自分にとって、こういったブランディングやマーチャンダイズ類へのリソース集中はかなり強力な購入動機になります。
ジャック位置は In / Out / Power 全て上部に配置されているタイプなので、エフェクターボードの中では横幅を削減できて良いかもしれない。
フットスイッチは踏みごたえの無いタイプで、切り替えの度にバチバチした触感が無いので自分は好みです。 そういえばエフェクターをやたらとパワフルに踏むタイプの人いるけど、青軸キーボードを爆音でタイピングする人と同種だと解釈していて、何かメインの作業をしながら副次的に大きめのフィードバックが返ってくると実働以上の達成感を得られるのかもしれない。 それで自分のモチベーションが維持されるならまあアリなのでは…と思ってます。
話を戻すと、総じて丁寧に…というか自分が欲しい感じのものを作りました感のあるエフェクターで、その嗜好と噛み合った自分にとっては最高な感じがしている。
音
初期の RAT 系というだけあって、ファズっぽい粒の粗さをディストーション的な圧縮感でラップしたような RAT らしい音が得られる。
とはいえ、ただ古きを踏襲しただけではなく、RAT にありがちな極端にローカットされる感じ（特にゲイン低めの時）が希薄で、あまり歪みを足さない設定でも使いやすそう。
程良い塩梅に圧縮されたクラシカルなディストーションといった雰囲気。とにかく ON にすれば格好良い出音は約束されていて、あとは手を動かすだけという感じで単純明快だし自分は好き。
JM + RAT の組み合わせで弾くようなネタではない気もするけれど、簡素な動画も撮った。
所感
今回初めて個人製作者の開発〜リリースまで見守りながら到着を待つ体験をしたのだけど、届いた品自体が良かったのでかなり好印象だった。 国内外問わず、SNS 等で自分と趣味嗜好の合いそうな製作者を見つけたら事前評判無しにサッと購入する形で応援してみるのもオツなものです。
まず見た目が最高で、音もかっこいい（実用性の面でも申し分ない）ので、使うとかなり高揚感がある。音質的にも、アンプのドライブや自分の ZVEX DoubleRock のそれとは明らかに異なる RAT 臭いラフな感触で、MJT ボディの Jazzmaster との相性も良い感じ。
探せば同程度の価格帯でオリジナルの RAT が入手できそうだけど、注文から実際に使ってみるまで良い思いができて素敵な買い物でした。
