昔から横に並べるレイアウトでのデュアルディスプレイが苦手で、これは自分の体質によるものなんだけど、横への視線移動で首への疲労が蓄積してる体感があり辛かった。
あと視野の中心にベゼルがあるのにも少し抵抗があり、逆に縦に並べたデュアルディスプレイ環境は割と快適だったのでなるべくそちらに寄せた環境で作業するよう努めていました。
ここ1年くらいは殆ど自室の27インチモニターのみで作業していて、職場で Web のフロントのコード書いたりする時だけ Chrome と VS Code を並行して視認できるよう MacBook Pro をモニターの下に置いて縦位置でのデュアルディスプレイを実現していたのだけど、MBP本体のキーボードで長時間作業していると首と肩に負荷がかかっているように感じたため、以前から気になっていた左右分割のキーボードを組み立ててみた。
自作キーボード
一般的にはキーキャップ・スイッチ・ケース・PCB(プリント基板)などを独自に選択・設計して組み立てるメカニカルキーボードを指し、国内では2016,7年辺りから盛り上がりを見せ、昨(2018)年に様々なキットが設計・公開され一気にユーザーが増加した。
特に左右分割式のものに関しては自作キーボード黎明期における Ergodox のインパクトが大きく、結果として国内では何故か左右分割式を設計・制作する人が大きな比重を占めている印象がある。
その中でも今回組み立てた Fortitude60 は、親指周りのキー配置やUSB-C接続、筐体の設計が特徴的でした。
外観
黒いアクリルのケースはかなりキツめに設計されていて、かなりの剛性が期待できそうな反面、組み込みも厳しくて自分のは一箇所破損してしまった(奥側で目立たない部分なので特に気にせず使ってる)ぐらいで、他は思い通りに組めたので気に入ってます。
キーキャップは KBDfans で購入した。Old Apple 好きなので、それっぽいフォントが気に入ってます。
ちなみに、ガチな Old Apple のオタク諸氏は昔の Extended Keyboard からキーキャップとアルプスの軸(スイッチ)をサルベージして AEK64 や Lunar といったキーボードを組んで盛り上がってるっぽい。これらも超かっこいいです。
キースイッチ(キーキャップを固定して打鍵の信号を送る軸)は Gateronの静音赤軸(Gateron Silent Red)にしました。今の所かなり好感触。
あとは左右のキーボードを接続するのに使うTRRSケーブルをキーキャップに馴染む良い感じな色合いのものに変えたい(写真の赤いのはキット付属品)くて、この辺は一緒に音楽やってる人間が最近ケーブル作って売ったりしてるので良い塩梅のTRRSケーブル作ってもらおうとか考えてたりもします。自分でやってもいいんだけど。
組み込み
半田ごてを握っての電子工作については昔エフェクター(BYOCのキット)を組み立てたりしていたので、そんなに抵抗無くあっさり組めた。
特に Fortitude60 に関しては Build Guide がかなり事細かに記されていたこともあり、詰まることも無くサクサクと完成。エフェクターに比べるとだいぶ楽な印象でした。また、設計者の方が公開している動画を見れば制作の工程を映像で逐一確認しながら作業できるので迷うことも少なくなりそう。
キーの割り当ては QMK Firmware をインストールしてC言語のファイルを編集することで行う。自分の場合 macOS 環境で実行した。ググればいくらでも出てくるので詳細な設定については割愛するけれど、詰まりそうなポイントとして avr-gcc のバージョンを良しなに設定しないとエラーが返されるので注意。「自作キーボードなるものに手を出してみた: FORTITUDE60 - なんか作りたい」という記事が参考になった。
感想
姿勢の改善という当初の目的に関しては完全に達成され、毎日快適にコンピューターしてます。
一方で、まだ配列に体が慣れていないため作業効率は以前の60%程度な印象で、早く職場で使いたいんだけどまだ本番導入は厳しいか…という感じ。
今回組み立てるに当たってキーキャップとか選ぶの楽しくて自作キーボードにハマった感があり、Fortitude60 を職場に持っていった後で自宅用の2台目何作るか既に考え始めてます。
全然関係ないけど、Van Durenのドキュメンタリーが製作されているらしく、それに伴って Soundtrack がリリースされていた。
アルバムの曲大体聴けるし、とっかかりには良い機会ということで是非。Big Star 界隈のSSWで、Paul Mccartney 直系のパワーポップ系譜に連なりそうな良盤です。